コロナ禍では海外旅行のハードルだったPCR検査が必須ではなくなり、コロナも5類になりました。
約3年間海外旅行を我慢してきた人たちが多く、現在パスポートセンターではパスポートを取得する人で溢れていて類をみないほど大混雑!
また、以前に比べて海外旅行代金がだいぶ値上がりしています。
友人の一人はこの夏海外に行こうと思っていたけれども、高すぎたため諦めたようです。SNSでも「海外航空券が高くて行けない」との口コミが多数あります。
なぜこんなにも海外航空券代・海外旅行代金が高いのか、調査してみました。
Contents
国際線航空券の価格設定はどう決まる?
現在、多くの海外航空券の料金は価格変動制です。航空会社の収益を最大化するために需要と供給のバランスを考慮し、状況に応じ運賃を調整します。
そのため空いているフライトは安くなり、混んでくると値段が上がる傾向となっています。
海外旅行が高いのはなぜ?国際線航空券が高すぎる理由7選!
①フライト数が減っている
国際線の旅客機のフライト数は今年に入って少しずつ増えてきてはいますが、コロナ前の状態ほどには戻っていません。
海外に行きたい人は急速に増えていますが、フライト数が少ない状態。少ない便に多くの予約が殺到すると、航空券の料金が高止まりしてしまいます。
以下、国際線の発着回数・旅客数のグラフになります。
2020年4月には、コロナウイルスが原因で国際線発着回数・旅客数共に、突然急激に減っているのがわかります。
コロナ前の約6割ほどにはフライト数は戻ってきていますが、まだまだですね。
フライト数が少ない理由は?
フライト数が少ない理由の一つは旅客機の不足です。コロナ禍では旅行需要が激減してフライト数を減らしており、つかっていない航空機は待機していました。
こうした航空機を再び運航可能な状態にするには点検をする必要があり、膨大な時間がかかります。
それに加え、労働力不足やウクライナ侵攻により原材料の確保や部品価格の上昇も深刻な問題となっています。
②原油・天然ガスなど燃料が高騰
航空会社にとって最大のコストは燃料です。コロナ禍の影響や社会情勢により、原油価格が高騰しています。航空会社は価格高騰の影響を受けやすく、航空券の料金にも顕著に表れています。
燃料の高騰の主な理由は以下の3つです。
- 世界経済の回復に伴う原油の需要増
- 一部産油国の生産停滞
- ロシアのウクライナ侵攻などの社会状況
燃料にかかる料金のことを燃油サーチャージといいます。燃油サーチャージは、航空券代の他に別途かかり、価格や状況に応じて変動制です。
以下、JALの燃油サーチャージを表にしてみました。
欧州 北米 中東 オセアニア | ハワイ インド インドネシア スリランカ | タイ シンガポール マレーシア等 | グアム パラオ ベトナム フィリピン等 | 中国 香港 マカオ 台湾 | 韓国 極東ロシア | |
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2019年4~5月 | 7,000 | 4,000 | 3,000 | 2,000 | 1,500 | 300 |
2019年6~7月 | 10,500 | 6,000 | 4,500 | 3,000 | 2,500 | 500 |
2019年8~9月 | 14,000 | 8,500 | 6,500 | 4,000 | 3,500 | 1,000 |
2019年10月~2020年5月 | 10,500 | 6,000 | 4,500 | 3,000 | 2,500 | 500 |
2020年6月~2021年5月 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2021年6~9月 | 7,700 | 4,400 | 3,300 | 2,200 | 1,700 | 400 |
2021年10月~2022年1月 | 11,600 | 6,600 | 5,000 | 3,300 | 2,800 | 600 |
2022年2~3月 | 17,500 | 11,000 | 8,500 | 5,000 | 4,500 | 1,500 |
2022年4~5月 | 20,200 | 12,700 | 9,800 | 5,800 | 5,200 | 1,800 |
2022年6~7月 | 36,800 | 23,600 | 19,600 | 12,700 | 9,900 | 4,100 |
2022年8~9月 | 47,000 | 30,500 | 24,700 | 17,800 | 11,400 | 5,900 |
2022年10~11月 | 57,200 | 37,400 | 29,800 | 22,900 | 12,900 | 7,700 |
2022年12月~2023年3月 | 47,000 | 30,500 | 24,700 | 17,800 | 11,400 | 5,900 |
2023年4月~5月 | 36,800 | 23,600 | 19,600 | 12,700 | 8,800 | 4,100 |
2023年6~7月 | 33,400 | 21,300 | 17,900 | 11,000 | 8,400 | 3,500 |
2019年4月・2023年4月の燃油サーチャージと比べてみると、2023年はおよそ4〜6倍ほどになっています。例えば、ハワイ行き往復航空券の燃油サーチャージは、2019年4月には8,000円だったのが、2023年4月は47,200円です。
燃油サーチャージだけでもかなり料金が高くなっているため、航空券トータルの料金も上がってしまいます。
③ロシアの上空を飛べない
ウクライナ侵攻によって、今までロシアの上空を飛んでいた日本⇔ヨーロッパ間を結ぶ航空機はロシア上空の迂回を余儀なくされています。
そのことにより、かかる時間・飛行距距離が長くなり、燃料費や乗務員などの経費もその分かかるので、航空券も高くなってしまいます。
世界情勢が落ち着いて、以前のような最短ルートで飛べるようになる日が早くきてほしいですね。
④航空関連のスタッフ不足
新型コロナ禍で航空会社は約27兆円近く損失を被りました。また、航空関連職に就いていた人も大多数辞職しました。
現在、十分な従業員の確保に航空業界は苦慮しています。人手不足のため、空港のチェックインカウンターや入国審査などでの遅延が顕著に表れています。
航空会社はスタッフを確保するため、より良い給与を支払うなどの追加コストも航空運賃を押し上げている理由の1つです。
⑤円安の影響
現在は円安の状況が続いています。円安とは、米ドルなど海外の通貨に対して日本円の相対的な価値が低い状態のことです。
そのため、海外旅行をする際の海外航空券やホテル代など海外の商品を日本で購入する場合、今までより高い料金になってしまいます。
2022年1月には「1ドル=約110円台」のところ、現在は「1ドル=約140円」ほどです。
たとえば100ドルの商品が欲しい場合、「1ドル=110円だと11,000円」だったのに、「100ドル=140円だと14,000円」になり3,000円も多く支払うことになります。
※円安が影響しない国を選ぶと、海外旅行はそこまで顕著に影響しません。
⑥中国の国際線が完全に復活していない
現在は撤回されていますが、中国で長く続いた「ゼロコロナ政策」のために中国系航空会社の国際線がいまだに完全に復活していません。
中国系の航空会社はコロナ前、非常に安価な価格で航空券を出している時もありました。今後復活したら、以前のように国際線航空券の価格競争が進む可能性もあります。
航空会社だけではなく、中国人も海外旅行に慎重な考えを示している人が多いです。
2023年4月末に発表された調査では、「23年に中国本土から出るつもりはない」と回答した人が31%にも上りました。
以前のように国際線を利用する人が早く増えたら良いですね。
⑦割高でも旅行したいと考える人は多い
約3年間も海外旅行を我慢していた人が多く、海外旅行代金が高くても旅行したいと考える人は一定数います。
実際、海外航空券が価格高騰のため海外旅行を行かないことに決めた人がいる一方、海外旅行の予定を立てている人もいます。
コロナで海外旅行ができなかった分、「旅行にお金を出すことに価値を感じている人」も多いです。
安い国際線航空券はある?
現在世界各国で規制緩和が進み、航空各社は旅行促進に向けた様々なキャンペーンを展開しています。
少しでも安く海外旅行に行きたい人は、キャンペーンを要チェックです。
以下、今おすすめのキャンペーンを紹介します。
\JTB!ネット予約限定/
\楽天トラベル!事前エントリー必須/
\HIS!終了間近/
まとめ
海外旅行・海外航空券が高騰している理由がわかりました。
各旅行会社が海外旅行キャンペーンを開催していることもあるので、少しでもお得に行きたいですね。
海外旅行に持っていくキャリーバッグは、国内旅行に比べて大きめのものが必要です。
購入するとお金がかかりますし保管場所もとりますので、レンタルがおすすめです!
海外に行くなら、翻訳機持参で安心♪